塗装工事を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。
しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、奥三河外装の代表親方 河田雅彦が、はじめての方でもわかりやすいよう、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪
塗料の種類:『下塗り塗料』と『仕上げ塗料』
塗料には大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗り用塗料』と『仕上げ塗り用塗料』です。
それぞれ、役割が異なりますので、順番に説明をいたしましょう。
1.「下塗り塗料」は下地の材質に合わせて、分類されます。
下塗り塗料は、主に、屋根や外壁の「下地」と「塗料」の密着性を確保するために必要な塗料です。
下地の材質によって、取り扱う塗料が全然異なりますので注意が必要です。
とはいえ、必ずしも「この下地なら、この塗料」と決めつけないことも大切です。あくまでも、お家の状態を見てから、ケースバイケースの判断をしてしております。
少しでも懸念点がある場合には、念には念を入れた対応を心掛けており、塗料メーカーや専門業者等にも問い合わせ、最適な塗料を選択するようにしています。
それでは、屋根材・外壁材の素材ごとの特徴と、それにピッタリな塗料を順にご紹介いたします♪
・サイディング壁
窯業系サイディングは住宅で一般的に使われる壁材です。扱う塗料は、お客様が求める耐候性によって種類を変えていきます。
見た目は千差万別で、様々なデザインの壁があるため、上から塗りつぶしても良いか、それとも元々の色合いを残す「クリアー塗装」をするのか等も確認もしています。
また、サイディングの壁には「タイル調」のデザインもあります。このような壁を一色で塗ってしまう場合もありますが、それではせっかくの形状が無駄になってしまいます。私たちは、手間を惜しまずに凹凸部分の色を使い分け、メリハリを効かせています。
ちなみに、タイル調仕上げは何度もやり直しが効かないことや、長さの異なるローラーを使い分ける必要があることから、それなりのテクニックが求められますが、奥三河外装には、このタイル調仕上げを得意とした職人が在籍していますのでご安心ください。
・モルタル壁
モルタルは、古くから住宅の外壁として使われてきた素材です。モルタル壁のメリットは、表面をアレンジしやすく、複雑な形状の壁でも比較的自由に施工できることです。
逆に、モルタル外壁は「ひび割れが起きやすい」というデメリットがあります。
様々な原因がありますが、モルタルは吸水性が高く(雨水や湿気を吸水しやすい)壁内で水分の移動が起きやすいことが大きな要因となっています。
そのような特徴から、モルタル外壁では、「塗装前の下地調整」にも力を入れます。
また、使用する下塗り塗料は、お家の状況に応じて選定します。例えば、耐候性を重視する場合には、弱溶剤系の造膜プライマーを。ひび割れが多い場合や、コストパフォーマンスを重視される場合には、ゴム質のフィーラーを使います。
・金属部:鉄、アルミ、ブリキ、ステンレスなど
金属部の施工は、塗装前のケレン作業も大切です。塗装においては、一般的に、錆止め入りの下塗り塗料を扱います。特に、防錆力、密着性に優れた強力なエポキシ樹脂の下塗り剤を活用することで、長期的にサビにくくなり耐候性も増します。
ちなみに、奥三河外装の鋼板系の外壁塗装は、「まるで張り替えたように見える」と評判です♪これは、メタリック感を出すように表現しているのですが、ある程度テクニックが必要です。
・木部
木部塗装では、キシラデコールなどの木部専用塗料を塗ることが一般的です。
ただし、木部は、塗料が浸み込んでしまうため何度も塗り直しが必要であったり、その割には長持ちしない面があります。個々の状況にもよりますが、木部塗装は5~6年で塗り直すことを前提とした方が良いと考えています。
巷では、様々な木部用塗料も出てきておりますが、奥三河外装では、全体の予算バランスの中で、木部にはあまりコストを掛け過ぎないご提案(あくまで戦略的に!)や、撥水性のシリコン系塗料を軽く吹き付けるだけで済ませる場合もあります(でもオシャレに!)。
また、あまり流通しておりませんが、木を貼ったように見える金属材(木目のガルバリウム鋼板)があります。「木目のデザインを希望され、かつ、耐久性も重視される」場合には、既存の木部を撤去し、木目のガルバリウム鋼板でのカバー工法もご提案もしております。
私たちのように、塗装工事も板金工事も両方行える施工店の強みの一つです。
・コロニアル屋根
屋根は、普段見えにくく、汚れがたまっていることがあるため、塗装前の高圧洗浄~下地処理の工程にも力をいれます。
汚れや旧塗膜をきちんと落としきり、下地処理を適正に行われないと剥がれの原因となるからです(これは外壁塗装も同様です)。耐久性の面で、塗料の品質以上に差が出ることがあります。
コロニアルの下塗り剤としては弱溶剤系の浸透シーラーを選択することが一般的です。
下塗りは、吸い込みが止まるまで行う必要があるため、下地の状況次第では、2度・3度と繰り返すこともあります。
下塗りをしっかりと行うことで、屋根と塗料の密着性を高められるだけではなく、仕上げ塗料の吸い込みを抑え「ムラがない美しい塗装」が実現できます。
上記の通り、下塗り塗料には色んな種類がありますが、どれも基本的な役割としては壁面や屋根との密着性の確保が重要になるため、材質に合った塗料選定が求められます。(※このルールを守らないと塗膜が密着せず、「剥がれ」が起きやすくなります。)
2.「仕上げ塗料」は「耐候性」と「機能ごと」に分類されます。
「仕上げ塗料」(上塗り塗料)は、防水機能で外壁を保護する役目と、見た目の美しさを表現する重要な役割を担っています。
また、さまざまな樹脂の塗料があります。その種類によって耐久性や機能性・美観性が違いますので、いくつかの提案をさせて頂きます。その中から一番ベストな塗装を選んでください。
塗料メーカーの保証書をご希望される場合には「プレミアムペイント」での施工をオススメしております。
その他にも、様々なメーカーの塗料をお取り扱いしており、コストパフォーマンスの良い塗料もご紹介可能です。
無機ハイブリッド塗料
様々な素材の中でも耐候性が最も高く、一番長持ちすると言われている塗料です。どの塗料メーカーでも最高級の部類に属しています。従来の無機塗料は強固な塗膜ではありますが「柔軟性に欠ける」という欠点がありました。無機ハイブリッド塗料はその欠点を改良し、強くて柔軟な塗膜を実現しています。
外壁リフォームの予算をしっかり確保できており、「外観を美しいまま長期間維持したい!」という方には、無機ハイブリッド塗料がオススメです!
各社塗料メーカーの無機ハイブリッド塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | No.1 |
エスケー化研 | セラミタイトペイント |
日本ペイント | ダイヤモンドコート |
関西ペイント | ムキフッソ |
アステック | 無機ハイブリッドコートJY |
菊水化学工業 | 無機ガードZ |
水谷ペイント | |
ロックペイント | パーフェクトセラミックトップF |
大日本塗料 |
フッソ系塗料
次はフッソ系塗料です。フッ素樹脂とは原子間の結合力が強いことが知られており、塗料の中でも最高の耐候性を誇る、高級塗料です。メンテナンスの回数を減らし、長く美観性を保ちたい方にはお勧めです。無機ハイブリッド塗料に比べると価格と耐候性のバランスが良いと思います。
各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | SHANGRI-LA |
エスケー化研 | セラタイトF |
日本ペイント | デュフロン4Fルーフ |
関西ペイント | アレスセラフッソ |
アステック | マックスシールド1500F-JY |
菊水化学工業 | ビュートップフッソ |
水谷ペイント | パワーフロン#2200 |
ロックペイント | サンフロン |
大日本塗料 | ビューフッソ |
シリコン塗料
シリコン系の塗料は、耐候性とコストパフォーマンスとのバランスに優れた一番人気の塗料です。
フッ素や無機ハイブリッドと比べると耐候性は劣りますが、シリコン塗料でも「商品の選定」と「施工の仕方」によって10年以上長持ちさせることも可能になってきています。
奥三河外装では、基本施工法の実践(洗浄や下地処理、その後丁寧な3度塗り等)によって、シリコン塗料で塗装したお家も長持ちしており、お施主様には大変ご満足頂いております。「ご予算の折り合いは付けたい、けど、家はしっかり守りたい!」という方には一番オススメです。
各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | ピュアピュアシリコン |
エスケー化研 | クリーンマイルドシリコン |
日本ペイント | ファインシリコンフレッシュ |
関西ペイント | セラMシリコン |
アステック | マックスシールド1500Si-JY |
菊水化学工業 | ビュートップシリコン |
水谷ペイント | パワーシリコンマイルドⅡ |
ロックペイント | ユメロック |
大日本塗料 | Vシリコンマイルド |
断熱塗料
そして、断熱塗料です。「耐候性」や「美観性」はもちろんですが、大好きなお家で「快適に過ごしたい」というご要望のお施主にはとっておきの塗料です。
夏は涼しく、冬は暖かくなるよう、「機能性」も重視した塗料です。多くの業者から様々な断熱塗料が出ておりますが、製品によってラジカル制御顔料の有無や汚染性の違いなど異なる点がありますので、専門家に良くお話を聞いてご選択されると良いでしょう。
各社塗料メーカーの断熱塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | Magic(マジック) |
日進産業 | ガイナ |
エスケー化研 | クールタイト |
日本ペイント | ファインサーモアイウォール4F |
関西ペイント | ドリームコート |
アステック | スーパーシャネツサーモ |
菊水化学工業 | キクスイガイナ |
大日本塗料 | エコクール |
以上が、ざっと塗料のご説明となります。本当に多くの塗料があるんですね。
ただし、どんなに高品質な塗料であっても、下地との相性が悪いモノを選んでしまったり、誤った施工を行ってしまうと、塗料の効果が十分に発揮できないこともあります。
奥三河外装は、昭和35年以来長年培った専門的な知見と施工技術に基づきながら、お施主様のご意向を第一に、ご納得頂ける最適なプランをご提案致しますので、安心して奥三河外装にお任せください。
私たちは、「耐候性」をしっかりと確保できるよう、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りによる「3層塗膜方式」を基本としています。
また、下地の状況に応じて、下塗りを二重にした4度塗りをするケースもあります。目立ったクラック等は下地処理の段階で綺麗に補修しますが、下塗りが薄いと「ミミズのような線」が見えてしまう場合があります。少しでも懸念がある場合には、念には念を入れて下塗りを二重にし、「美観性」も追究していきます。